「だから捨ててと言ったのに」を読みました

タイトルに惹かれて購入しました。

【だから捨ててと言ったのに】から始まる25人の作家さんによるショートショート作です。

私が手に取ったきっかけは、もともと部屋を片付けたい、すっきりさせたいという思いがあるので、【捨てる】という単語に反応して購入してみました。

だから捨ててと言ったのにという言葉を発した人は、それを捨てた方がいいと思っていて、でも言われた側は捨てられない理由だったり、ついつい後回しにしてしまう・・・とかあると思うんです。

でも『やっぱり捨てとけばよかったじゃん』みたいなエピソードなのかな、と予想していました。

この本を読んで片付けのきっかけになるかなーと思っていました。

・・・が、一番最初の作品ではまさかの〇人の話でした。

この作品集はメフィストリーダーズクラブという会員制の読書クラブ内で公開された作品を書籍化したものらしく、主にミステリー好きのための有料読書クラブのようです。

なので基本的には怖い話や、ぞっとする話が多かったです。

そんな中で私が好きだったのは、砥上裕將さんの「母の箪笥」と金子玲介さんの「恋文」です。

「母の箪笥」では怖い話が多い中、心穏やかに読める作品でした。

「恋文」では青春っぽいシチュエーションでの、ヒトコワな物語で、ホラーじゃないのにぞっとするお話でした。

あと、五十嵐律人さんの「累犯家族」も印象に残りました。もし自分が主人公の立場だったら、その言葉の意味に気が付いた瞬間、血の気が引けるような気持ちになるんじゃないかなと感じる物語でした。

この他にも、舞城王太郎さん、背筋さん、夕木春央さん、最果てタヒさんなど、好きな作家さんの作品が掲載されていて、サクッと読めるショートショートなのに、読みごたえを感じられる一冊でした。

最初の1行が同じシリーズはどうやら4冊出ているらしく、今回読んだ「だから捨ててと言ったのに」は第4弾らしいので、他の作品も読んでみたいと思います。

おしまい

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