「捨てないパン屋」を読みました

今回は、YouTubeで紹介されていたパン屋さんの店主が書いた本「捨てないパン屋」を読みました。

この本を読んだきっかけは、YouTubeで「できるだけ働かない」「でも儲かる」というサムネに惹かれて一時間半もの動画を見た影響でした。

パン屋さんって朝が早くて、休みがなくて、給料がすくなくて・・・という、飲食店あるあるなイメージを持っていたのですが、著者である田村陽至さんのお店では、週6で8時間労働をして、夏には一か月の夏休みをとるそうです。そしてパンを廃棄することは無いんだとか。

パン屋さんって夕方とか夜に行くとよく値引きされていますよね。半額とか5個まとめて〇〇円とか。あまり深く考えずに夕方に勝った方がお得ぐらいに思って購入していましたが、値引きしても売れなければそのパンは廃棄になってしまうんですよね・・・

著者は捨てないパン屋を目指してこれまでの働き方を見直そうと、海外でのパン屋の働き方を見て、それを真似する形で取り入れて週6の8時間労働という方法に至ったそうです。

そのためには数十種類あった総菜パンや菓子パンを辞めて、4種類の具のないシンプルなパンに絞ったのです。

以前の僕は、一生懸命、100点のパンを目指していました。


しかし、どうやら、80点を目指すならば、労働時間は簡単にはんぶんくらいに減るのです。

田村陽至さん著 「捨てないパン屋」より引用

100点のパンと80点のパン・・・私自身仕事をしているとついつい完璧を求めすぎてしまうことがありました。去年と同じ仕事でもよりよくしたいと思ってしまっていました。

でも実際に部下をもってみると、100点を目指さして期限ぎりぎりになるぐらいなら、早めに70点ぐらいでも見せてほしいと思うようになったりもしました。

筆者曰く、手間と時間をかけてそこそこの素材で作ったパンよりも、

手を抜いて最高級の素材で作ったパンの方がおいしいし、人件費も小さくなるので材料費が高くなっても利益は出るのだそう。

そうしていると中にはクレームを入れてくるようなお客さんが現れるそうなのですが、華麗なかわし方もご紹介されていました。

クレーマーについては私も思うことがあって、クレーム研修とかも受けてきましたが、そもそもクレームを言ってくる人って、クレームという認識すらない人も多い気がします。

何なら親切心でアドバイスをしている気分で話しているような人とか、自分の正義感を他人に押し付けたいだけの人とか・・・

でもそうやって声をあげてくる人の意見はほんのごく一部の意見で、その意見を参考にしてしまったら、大半の何も言わない人たちが離れていってしまうことってありますよね・・

そして___「新しさを売りにするほど、より古くなる」のです。

田村陽至さん著 「捨てないパン屋」より引用

筆者は祖父の代からパン屋の経営を身近で見ており、家電もパンも新しいことに価値がある時代では、どんどん新商品を販売したり、焼き立てパンに行列をなすお客さんを見ていました。

でも、新しさを求めれば求めるほど、どんどん古くなるスピードが速まり、気が付いたら店そのものが古いものとして認識され、お客さんは新しくオープンしたパン屋さんに流れていく・・・

焼き立てをアピールすると数時間後には冷めたパンになってしまうので売れなくなる。

新商品を作れば作るほど新たな具材を仕込む必要があり、さらに忙しくなる。

古くならないものは何なのか?

本書では飲食店をしている方はもちろん、現状維持の先に明るい未来が無いとわかっていながらも変化することに抵抗がある時に読んでみると、行動を移すきっかけになると思います。

長時間労働を脱出して心にゆとりをもって働きたい方におすすめの一冊です。

おしまい

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