今回は、高村友也著『自作の小屋で暮らそう Bライフの愉しみ』を読みました。
タイトルだけ聞くと自分とは関係なさそう・・・
山小屋生活の話か。と思ってしまうかもしれませんが、こんな人におすすめの本でした。
私自身は本書を読んでみても著者のような生活は敢えては選ばないだろうなとは思いましたが、でも、『本当の意味で』最低限の暮らし、一時期流行ったスローライフよりもさらに低コストで、誰にも文句を言われない生活がそこにはありました。
毎月の生活費は20,000円
衝撃的な金額ですよね。その内訳はというと、
食費 | 10,000円 |
ガソリン | 200円 |
カセットガス | 500円 |
灯油 | 0~1,500円 |
スマホ | 1,000円~ |
ネット | 5,000円 |
銭湯(月に4.5回) | 1,000円 |
健康保険 | 1500円 |
合計で約20,000円なり。
- 土地を購入して自作の小屋を建てているので家賃は0円
- 電気は太陽光発電により賄うため、電気料金も0円
- 上下水道は引いておらず、川や公園の水を利用し、雑排水は畑へ、汚水はたい肥として畑へ
- 年金は一定額以下のため全額免除
- 健康保険料も7割免除で上記の金額
- 固定資産税も免税点以下のため0円
- 移動手段は原付を使用
生まれた時から水道、電気、ガスが当たり前の生活をしている私たちにとって、それらがない生活というのはなかなかハードルが高そうに思えますよね。
それと、食費が月10,000円というのも衝撃的でした。
男性の一人暮らしで10,000円・・・大丈夫??病気になっちゃうんじゃない?
栄養足りる?貧乏学生みたいなもやし生活ですか??って心配してしまうレベルですよね。
コーラと対等な立場に立つ
気になる食費の章では、『食事ーーコーラと対等な立場に立つ』というタイトルから始まります。
コーラと対等って・・・?
一日一食、少し手の込んだ食事をとれば、あとは適当に腹の虫をあやしてごまかしておけばいい。その一食は日本ではやはり、夕食ということになる。
まず、米。米は、茶碗一杯30円程度で、味もコストパフォーマンスも極めて優れた食品だ。
(中略)
食費を計算してみると
- 朝 おにぎり、漬物・・・50円
- 昼 スパゲッティやラーメン・・・100円
- 夜 ご飯、一品(味噌汁など)、漬物・・・150円
無理して節約しなくても、一日300円、月10,000円あれば安泰だ。
高村友也著『自作の小屋で暮らそう Bライフの愉しみ』より引用
これをご覧になっていかがでしょうか?これじゃあ満足できない?
もっとおいしいご飯が食べたい?おかずが足りない?そんな声が聞こえてきそうな気がします笑
実際の私は・・・というと、ご飯を作るのがめんどくさい日なんかは、ご飯と味噌汁だけでいいや、とかそれプラス卵・納豆だけということもあります。
でも毎日だったら飽きそうだなとも思いました。
以前読んだ本、『年収90万円で東京ハッピーライフ』(大原扁理さん著)でもたしか食事は質素だったような気がします。大原さんは自分でスコーンを焼いているらしく、なぜかそこに影響を受けて一時期私もスコーンにはまりましたw
もしかしたら、私達は毎日仕事のストレスに晒されて、その憂さ晴らしに暴飲暴食に走っているのかもしれません。
仕事のストレスから開放されて、好きなだけ寝て、好きなときに本を読んで、ネットして、そんな生活になったら、案外食事に求めるものはそう多くないのかも・・・なんて考えるきっかけになりました。
さて、タイトルでも気になった【コーラと対等】ってなんでしょうか?
たとえばコーラが好きな人は財布や気分と相談しながらその都度100円支払えばいい。コーラが好きだからと言って最初から毎月3,000円をコーラ代に計上して生活設計のすべてを考え、必ずコーラが飲めるように自分自身を制御するとなるとコーラに支配されてしまう。そうしていろいろなものに支配されていくと毎月必要なお金は5万、10万、20万と膨れ上がり、不必要な生活水準を維持するためだけに働くことになり、結果、寝転がっていられなくなる。本当にコーラを楽しむためには、毎月1万円で食生活を築いてコーラと対等な立場に立つことが先だ。
高村友也著『自作の小屋で暮らそう Bライフの愉しみ』より引用
私はこの一文を読んだとき、この本に出合って本当に良かったと感じました。
コーラを例え話にしてるのでコーラ、コーラ言ってますが、あなたにとってのコーラは何ですか?
贅沢品を食べるため・飲むため・買うために絶対に削れない支出として思い込んで、それを維持するためにたくさん働くことになっていませんか?
もしくは、贅沢品という自覚のないまま毎月支払っているものはありませんか?
冷蔵庫からなくなると当然のように購入する定番品の中にありませんか?
ほとんど利用していないのに契約したままのサブスクはどうでしょうか?
もしかしたらそれらは無くても生活に困らないかもしれませんし、時々楽しむぐらいのほうが贅沢な気分になれるかもしれません。
もしも、急に収入が途絶えてしまった場合、どうしても今の仕事を続けたくない場合、全部が全部著書のように生活をするのは体力的、年齢的に難しい人もいると思います。
でも月2万まで削って生活する方法があるんだ(多分しないけども)と思うと、少し気が楽になりませんか。
毎月の家計が赤字の方は、あなたにとってのコーラを探してみてはいかがでしょうか。
おしまい。
ちなみに、今回の本の内容は自分にはちょっとハードルが高すぎるよーって方は、
『年収90万円で東京ハッピーライフ』(大原扁理さん著)のほうがマイルドなので気になった方はこちらもどうぞ。