日本の中高生の多くは中学校の教科書の文章を正確に理解できない。
多くの仕事がAIに代替される将来、読解力のない人間は失業するしかない・・・・。
AI vs.教科書が読めない子どもたち より 引用
新井紀子 著 『AI vs.教科書が読めない子どもたち』
この本のタイトルは聞いたことがある方も多いかもしれません。
教科書が読めないって、どういうこと・・・?
今の小中学生はそんなに学力が低いの?
不安を煽る系?なーんて思ったりもしましたが、気になって読んでみました。
この本にはこんなことが書かれていました。
- そもそもAIってなにしてるの?
- 私の仕事もAIに奪われるのではないか・・
- AIに奪われない職業とは?
- 教科書が読めないって?今何が起こっているの?
- 今、学校で教わる勉強をする意味・・・
- わたしの読解力は大丈夫かしら・・・
AIってなにしてるの?得意分野は?できない仕事は?
AIはMARCHレベルの大学に合格できるレベルに達しているそうです。
と聞くと、背中がひやっとする感覚がありませんか?
Amazonでも楽天でも何かの商品を見たら、こんなものも一緒にどうですか?とおすすめされる。
賃貸物件を探せば、この物件を見た人はこっちの物件も見ました。
スマホで問い合わせをしたら、チャットで瞬時に返事を返してくれる。
すでに、営業マンがしていたこと、販売員がしていたこと、カスタマーサービスの人がしていたことの一部をAIがしています。
しかもMARCH以上の頭脳を持って・・・・
だから将来、いろいろな職業がAIに代替されるだろうとニュースでも見かけますね。
ただ筆者曰く、AIは言うても計算機。
その言葉の”意味”を理解することはできないというのです。
「真の意味でのAI」とは、人間と同じような知能を持ったAIのことでした。ただし、AIは計算機ですから、数式、つまり数学の言葉に置き換えることのできない計算はできません。では、私たちの知能の営みは、すべて理論と確率、統計に置き換えることができるでしょうか。残念ですが、そうはならないでしょう。
AI vs.教科書が読めない子どもたち より 引用
学校で教わった勉強はAIに勝てないジャンルばかり?!
AIは計算機だよ、と聞くと人間は数学では勝てないのかな?
と思いますよね。
それに、記憶力も勝てませんね。
暗記科目と言われる、歴史、地理、化学、生物なんかは私は確実に負けるでしょう。
仮に、検索OKのテストだったらやっと互角に戦えるレベルでしょうかね・・(悲しい)
私がゆとり教育を受けていた当時、
二次関数の授業があって、歴史上の人名と時代を覚えて、微生物や岩の名前を暗記していました。
現代の教育は時代とともに変化しつつあるとは聞きますが、
あいかわらず、計算や暗記の授業はありますよね。
さらにそれに追加でプログラミングだなんだって言われています。
それを聞いて、今の子供たちは大変だわね・・・なんてのんきに思っていられたらいいですが、
数年後、ゴリゴリにプログラミングが出来ちゃう子が入社してくるときのことを思うと
背中にスーッと冷たい何かが流れる気配がします。
自分がしている仕事って、機械化できるんじゃ・・・?
AIができない仕事を人間ができるのか?
AIが計算機ならば、計算以外の部分で勝てるのか!
人間は計算機にはできない能力を伸ばせば良いのか!
と思いましたが、そんな期待も見事に玉砕してしまいました。
日本語を読んで”意味を理解”する能力
これが今の中学生高校生に備わっていない子たちがいるというのです。
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これには私にも心当たりがありました。
小中学生のころ、計算問題は解けるけど、文章問題になるとどういう式を立てればよいのかわからないということありました。
問題を読んでも式にできない、式が間違えてる。
式さえできれば計算できるのに式がつくれない。
経験ありませんか?
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他にも、天空の空ラピュタを見て、初めて気がついたことがありました
パズーとシータが「バルス」と言ったあとに
ムスカが「目が目がー!!!」と言うシーン。
今まで私は衝撃でメガネを落としてしまったから目が見えないんだ
と思っていました。
でもその後のTwitterのバルス祭りを見て、飛行石の強い光を直視して目が見えなくなったのだ
と言うことを知りました。
他にも漫画を読んでいて伏線の意味がわからなくて、前の巻に戻って読み返したりしていたので
私は読解力というか、その場の状況での相手の心境を察するみたいな力が足りないのかなぁと思うことがあります。
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本書の中には、読解力を測るためのRSTと言うテストの例題があるので、ぜひ不安な方はお試しを!
でも、読解力の話を読んでる最中の例題なだけに、こんな私でも全問正解できました。
本当のテストでは、正答率や回答までの時間なども計測するそうなので、これをもってわたしの読解力は安心と言えるものではないようですが…
あなたは読解力に自信がありますか??
将来、何の仕事する?
今の中学生、高校生がこの本を読んでなにを思うのでしょうか・・・
だって、今こうして解けるようになった計算も暗記内容もAIには勝てません、AIが苦手な分野は学生も足りてません。
って言われたら、なんで学校行かなきゃいけないの?なんで勉強しなきゃいけないの?
って思う人が増えないのかなぁ、、と思ってしまいます。
もちろん、私も当時はなんで古文漢文の勉強するの?微分積分はいつ使うの?
って思ってました。そこは今も昔も変わらない感情なのかもしれませんが、
私の頃はまだ、勉強していい大学行ったら、たくさんお給料をもらえるよ。
という神話が疑問を持たれつつも主軸となっていて、それをモチベーションに頑張ってきた部分があったと思います。
では、子供の頃たくさん勉強していい大学を出て教員となって生徒の前に立っている先生たちはどうでしょうか?
忙しさのあまり死んだ魚の目をして毎日働いている先生を見て、どうでしょうか?
なんか、報われないなあ・・と感じてしまうんですよね。
読解力がない私たち・・・さすがに車の免許をとるのに、学科試験が受からないとか、マニュアルが理解できないとなると、大丈夫か!!ってなりますよね。
読解力のない私たちの将来は??
なんだかずーっと不安になる話ばかりになってしまいましたね。
でも、最終章には少し明るい話もありましたよ!
AIにできるのは、基本的に生産性をあげることだけで、新しいサービスを生み出したり問題を解決したりはできないのです。
AI vs.教科書が読めない子どもたち より 引用
つまり、1を100にしたり、増産したりすることはかなわないけど0→1を生み出すことはできないですし、
誰かの悩み事や困りごとを聞いて解決することはできない。
だとすれば、これからは、ニッチな悩みを解決できる商品や、相手の悩みを聞いて一緒に解決していく人が必要とされているのかもしれません。
私もこれまで、数字や時間ばかりに囚われた仕事をたくさんしてきましたが、これからはそれらをAIにお願いして、全く違く働き方が重宝されるのかもしれないなあ・・・
私は何をしようかな・・・と思った一冊でした!
最後まで読んでくださりありがとうございました。