今回は、トマス・J・スタンリー&ウィリアム・D・ダンゴ著 斎藤聖美さん訳「となりの億万長者」を読みました。
こんなことを知りたい人はこの本を読めばお金持ちが何を考えてどう行動しているのかを学ぶことができます。
あなたは蓄財優等生?それとも蓄財劣等生?
期待資産額
(中略)
年齢に、税引き前の年間家計所得(相続から得られる年収は含まない)をかけ、10で割る。ここから、遺産相続額を引いた額が期待資産額である。
「となりの億万長者」より引用
例えば、夫婦共働きで、夫の年収:500万、妻の年収400万 夫婦ともに32歳、両親も健在で遺産相続が無い場合、
期待資産額=(500万+400万)×32 ÷ 10=2,880万
となりますね。
「蓄財優等生」と「蓄財劣等生」
(中略)
もし期待資産額の二倍の資産を持っていれば、蓄財優等生と言える。ダンカン氏の場合は635,500ドルの二倍の1,271,000ドル以上の資産を持っていれば蓄財優等生だし、半分の31,750ドル以下であれば蓄財劣等生に落ちる。
「となりの億万長者」より引用
つまり先ほどの例でいうと、
資産が2,880万×2=5,760万なら蓄財優等生
2,880万÷2=1,440万なら蓄財劣等生
ということですね。
32歳共働きで世帯年収900万で、1440万あるってすごい気がするけど、劣等生なんだね
やば、つら。
32歳ってことは、社会人になって10年ぐらいだよね。
それで1440万ってことは、年間140万ペースってこと?
けど、新卒でいきなり140万ってきついだろうから後半に追い上げてく感じ?
この本でいうところの蓄財優等生は、5,760万あるってことはさ、社会人になってからの10年で0から作ったとしたら、年間576万も?!世帯年収900万で576万ってやば!
でも仮に42歳、世帯年収900万なら、
900万×42÷10=3,780万
優等生ならこの2倍の7,560万でしょ?
20年で7,560万作るなら、
年間378万ペースまで下がるよね。
だから、この判定は若い人ほどハードな金額だけど、この本でも億万長者はゆっくりなっていくみたいなこと書いてたから、つつましく暮らしていれば少なくとも劣等生にはならないんじゃないかな?
この本では、100万ドル以上の純資産を持つ人を「億万長者」と呼んでいる。こうした億万長者たちは経済的に自立している。月給がなくっても、今のライフスタイルを変えることなく、なんねんも生活していくことができる。彼らはロックフェラーやバンダービルトのような大富豪の子孫ではない。彼らの80%はごく普通の人で、一代で富を築いてきた。時間をかけ堅実に生活してきた結果、億万長者になっている。
「となりの億万長者」より引用
堅実な生活って何だろう?
第1章では、億万長者のポートレートとしていくつものポイントがあげられていました。その中でインパクトのあった点をいくつか紹介します。
- 億万長者の2割は引退、現役のうち2/3は事業家、自営業者。全米では2割の自営業者に対して、億万長者の間には2/3もいる。
- 私たちはみんな、収入に比べてはるかに少ない金額で生活しています。安いスーツを着て、国産車に乗っています。新型車に乗ったり、車をリースするのは私たちの間では少数派です。
- 私たちの近所には、億万長者でない人たちが私たちの三倍以上住んでいます。
- 2/3の人は週に45時間から55時間働きます。
- 投資には熱心です。収入の15%以上を貯蓄・投資に回す人が大半ですが、平均では収入の20%弱を貯蓄しています。
- 資産の2割近くは上場株式や投信など流動性の高い有価証券に投資していますが、めったに売りません。
「となりの億万長者」より抜粋
週55時間も働くのか・・・
(夫クン)の実家、結構当てはまってない?
サラリーマンだけど、堅実って感じするし、車はほとんど中古だって言ってたし、見栄で買い物とかしない感じじゃない?
地元ではそこそこの高級住宅街ではあるけど、土地の値段上がってるし。
それに比べて、うちの実家は・・・・
こないだ久しぶりに帰ったら、車買い換えてたよ・・・
もう、軽自動車でいいと思うんだけど、軽はイヤなんだってさ。
資産の2割を投資か。そんな少ないんだね。億万長者ってとにかく株とか不動産とかたくさん持ってるイメージだったよ。
安いスーツって?
そりゃ年収2000万の人にとっては、10万のスーツは安いんじゃない?
今までに買ったスーツの中で一番高かったのはいくら?
第2章の中に億万長者が購入したスーツ・靴・腕時計の値段の分布を表す表が掲載されていました。
億万長者の半分は399ドル以上のスーツを買ったことがない。
195ドル以下でしか買わない人が10%いる。
億万長者の半数は140ドル以上の靴を買ったことがない。
億万長者の半数は235ドル以上の腕時計を買ったことがない。
「となりの億万長者」より抜粋
どうでしょうか?1ドル130円として円換算すると・・・
億万長者の半数は、スーツは51,870円、靴は18,200円、腕時計は30,550円以下の買い物に抑えている。
25,350円以下のスーツしか買わない人が10%もいる。
25,000円のスーツ・・・
就活生のスーツとかそれぐらい?新卒1年目とか?
ユニクロのスーツだと、上14,900円、下6,990円だって。
僕もそれぐらいだったかも。
けど、だんだんいいのが欲しくなってオーダーとかしてみたくなるんだよね。
それはちょっとわかる。夫クンのセミオーダーいくらした?
2着買って10万ぐらいだったかな。結構割引が大きかった気がする・・
億万長者がギリ買うか買わないか半々なところだね。
靴は?男の人ってやたら靴にお金かけてるイメージあるし、
不動産営業してた時も、相手がお金持ってるかどうかは、腕時計じゃなく靴を見ろ!
って教わったんだけど。
まあ、靴は男の身だしなみって言うのはだいたい靴屋だからね。
僕は18,200円超えたことあるけど、時計は無いね。
時計なんか時間さえわかればいいから、iPhoneでいいと思ってる。
私は昔ブーツとかですぐ2万超えてたなあ。
時計は今持ってるのが、社会人1年目の初ボーナスで買った10万の時計と
夫君からプレゼントしてもらった時計だね。
10万の時計・・・劣等生やないかい!
億万長者は守備に強い
本書によると、億万長者はしっかり予算をたてて、衣食住にいくら使ったのかを把握している人が大半だといいます。
そして、人生設計を立てて、毎日、毎週、毎月、毎年の目標を立てる。
資産運用に時間を費やす。
奥さんの財布のひもがとても固い。
私の財布のひもは?
私は新卒で不動産会社に就職し、周りの友達よりも高い給料をもらっていました。
固定給も高かったのですが、それにプラスして契約が成立すると歩合給がもらえました。
しかし家賃10万円を超える物件に住みながら、給料日までカウントダウンをしていました。
その後、営業ノルマのストレスから逃げるようにして、退職をします。
次の就職先は法律系の仕事で給料はこれまでの7割を切っていました。
給料は減ったけど、土日はしっかり休みで、残業もほとんどありませんでした。
これまでは、収入も支出も多くて、時間がない状態だったのが、
時間はあるけどお金がない状態になりました。真逆の状態です。
ただ、これまでたくさんお金を使う生活をしていたため、なかなか倹約した生活が出来ず、入ってくるお金の範囲内でやりくりするのがやっとでした。
幸い、転職を期に都会から地方都市に引っ越したので、遊びに出かける場所も少なく、家賃も大幅に減ったので、なんとかなっていました。
財布のひもゆるゆるなの?劣等生なの?!
その後、再び転職をしたのですが、年齢も30代に近づくにつれて、自分の貯金額の少なさに不安を感じるようになりました。
ネットニュースで世代別の平均貯蓄額を見て焦って、中央値を見て納得するみたいな感じでした。
このころから、
貯金ってどうするの?貯めてる人はどうしてるんだろう?
と考えるようになり、『貯金 やり方』なんて調べていましたw
よく検索に出てきていたのは、先取り貯金で、給料ー支出=貯金だとたまらないから、
給料ー貯金=使ってもいい金額 と思って生活するというものでした。
本書でも随所に語られていますが、蓄財劣等生にあって、優等生にないもの。
それは、見栄です。
優等生は見栄を張った買い物をしない、見栄を張ろうともしない。だから、高級住宅街ではない住宅街にすみ、国産の車を中古で購入する。
はたから見たら隣の家の住人が億万長者だなんて思いもしない。そんなところに住んでいる。
一方、高級住宅街の住人は、他人の目を気にして高い車を次々に買い換えて、子供を私立に通わせる。
(耳が痛い)
お金のかかるプレゼントを断る億万長者
億万長者は、モノが人を買えてしまうことをよく理解しています。
ある男が、億万長者への誕生日に、ロールスロイスをプレゼントしようと計画した。
それを知った億万長者はそれを断った。
なぜか?
彼は、そもそもそれを欲しいと思ったことはないし、それにふさわしいライフスタイルに切り替えるつもりもなかった。
その車では気軽に釣った魚を乗せられないし、行きつけの汚いレストランに乗り付けることもできない。
さすがにそんな金額のプレゼントをもらう機会に遭遇したことはありません。
ですが、こんなことなら私にも身に覚えがあります。
いつもとは違うテイストの服を買ってしまう
↓
これまで持っていたスカート・ボトムス、カバン、靴が合わない気がして、その服1枚のためにあれこれと買い足す
↓
コーディネートがカオスになるw
服を買いに行っていいなと思った服を見つけても、すでに持ってる服とどう合わせていいかわからないことってありませんでしたか?
で、店員さんに『どうやって合わせればいいんですか?』
って聞こうものなら、全身フルコーディネートされて、いっぱい買っちゃうみたいなw
服1枚でもこんなに影響力があるので、家具などのインテリアや、車となるとさらに影響力は膨大ですよね。
けど、ロールスロイスだよ?!プレゼントしてくれるんでしょ?
断る勇気すごいと思う・・・
けど、もらったら逆に金食い虫になって、
かといってこっそり売るとかもできないだろうし・・・
葛藤するだろうなあ
親の援助と子育て
億万長者は一代で資産を築いている人が大半で、親からの遺産相続で億万長者になった人の割合は少ないそうです。
億万長者の子が億万長者になる確率って少ないってこと?
億万長者2世3世の割合が少ないってことはそういうことだよね。
確かに、金持ちの家の子って親のすねかじって遊んでるイメージ
偏見つよ!
けど、この本でもこんなこと書いてあったよ!
親が子供をせめて中流クラスの生活をさせてあげたいって思って援助して、身の丈以上の地域に家建ててあげると、どんどんお金が必要になって、しまいには親に依存して、最終的に相続でもめるんだって・・・
金持ちの家の子の悲劇・・・
もちろん、資産家の中にはしっかり子供を経済的に自立させてた両親もいます。その共通点は
- 子供に両親が金持ちだと絶対に教えない
- どんなに金があろうと、子供には倹約とけじめを教える
- 子供が就職して安定した生活を送れるようになるまで、親が金持ちだと気づかせてはいけない
- 子供や孫に遺産に何を与えるかなるべくはなさない
などなどが紹介されていました。
夫君は子供の頃、親が金持ちって気づいてた?
うちの親ケチだからね。
夫君もわりとケチだけどねw
けど、ご両親が無駄遣いしないで絞るとこ絞って、家にどれだけお金あるかを子供たちに悟らせないように育てられたから、兄弟みんなちゃんと稼いでるんじゃない?
すねかじりマンにならずに済んだんだからよかったね。
億万長者は身近なところにいるかも?!
本書を読んでみて、億万長者とはテレビに取り上げられるような派手な生活を暮らしているような、雲の上の別の世界に住んでる人ではなく、もしかしたら、うちの隣に住んでるかもしれない・・・というところが衝撃的でした。
Twitterで年収いくらです!とか、何億円運用してます!って自己紹介欄に書いてる人ばかりに目を奪われていたかもしれませんw
本書はアメリカの富裕層が調査対象になっているので日本だと少し異なる価値観があるかもしれませんが、平民が想像している大富豪とのギャップは日本もアメリカも近いのかなあなんて思いました。
本書では、
- お金の価値観
- モノの価値観
- 買い物のしかた
- 時間の使い方
- 家族との向き合い方
- 子育て方針
- 子どもにはどんな職業についてほしいと願っているか
- 子どもにどんな強さを持ってほしいか
- 子供が成人した後のかかわり方
などが紹介されていて、20代で読めば資産形成について学べて
子育て世代が読めば、教育費のとらえ方、しつけについて学べて
60代に読めば、成人した子供との距離感が学べて相続についても学べる
そんな1冊でした。
正直この本は、ページ数も多くて、行間も狭いのでなかなか読み進めるのに苦労しました。
それに基本ドルで語られるので、序盤ではいちいち円換算していたのも一つの要因かもしれません。
また、数字が多く出てくるにもかかわらず、縦書きなので漢数字が使われているんですよね。
三五〇世帯、一九五〇万ドル、九・六%、一九九五年など。
(横書きにしてほしかったですw)
とはいえ、これから資産優等生を目指すには絶対に読んでおくべき一冊でした!
気になった方はぜひ読んでみてください。