『年収90万円で東京ハッピーライフ』を読みました

最近FIREという言葉をよく聞くようになりました。

私も2年ほど前から、今の働き方から卒業したいと思うようになりました。

今回は、大原扁理さん著『年収90万円で東京ハッピーライフ』を読んでみました。

年収90万で過ごす筆者の生活

  • 親がお金持ちなわけではない
  • 配当金や家賃収入があるわけでもない
  • 相続金がたくさんあるわけでもない
  • 週2で介護の仕事をして月7万円で暮らしている

タイトルだけみて真っ先に思い浮かぶような、おいしい生活を送っているわけではなく、生活に必要な金額を最低限稼いで、それで暮らす。というシンプルな暮らしでした。

フツーって、何?好きなことの見つけ方

第2章では『フツーって、何?』と題し、好きなこと、やりたいことが見つからない人に向けたヒントが書かれていました。

・・・どうしても進まなきゃいけないときは、消去法がおすすめです。

 というのは、人間、やりたいことはわかんなくても、やりたくないことだけは意外と迷わないんですよね。

(略)

・・・繰り返しますが、大切なのは「好きなことで生きていく」じゃなくて、「イヤなことで死なない」。そんなハードルが高く設定しないほうが、あとから絶望しなくてすむんです。

『年収90万円で東京ハッピーライフ』より引用

私たちはこれまでに””好きなことをして生きていこう””というセリフをたくさん聞いてきました。

それと同じぐらいに””好きなことだけじゃ食べていけないよ””もたくさん聞いてきました。

私はこの2つのセリフたちを耳にするたび、いつも心がざわっとする感覚がありました。

それは、好きなことをして稼げていないから。かといって好きなことが明確になっていないからだと思います。

筆者が言うように、人生の岐路に立たされた時、「イヤなことで死なない」という考え方をもっていたら、特に10代の頃にこの本を読んでいたら・・・もう少し楽に生きられたかもしれませんね。

私は進路を決めるとき、就職活動をするとき、将来何になりたいのか、どうなりたいのかを選び取れないまま、なんとなくここまで来ました。

仕事をしていると、ときどき

あーこれが60歳まで続くの?耐えられるかな?

という不安が襲ってくることがあります。
【耐える】という言葉を使っている時点で、イヤなことで生きているということなのでしょう・・・

20代の頃はいったい何に耐えているのかさえわかりませんでしたが、30を超えたあたりから好き嫌い、得意不得意が見えてくるようになりました。

  • 一人で黙々と作業するのが好き
  • ざわざわした環境が嫌い
  • 作業中に他の人に話しかけられたり、電話で中断されることにストレスを感じる
  • 単純作業でも、以前の自分よりも効率よく終わらせることに小さな達成感がある

組織で働いていると、自分の苦手やストレスに蓋をして働かなければならないことに遭遇します。

電話がかかってきて仕事が中断されるのは誰だってストレスだよ。

そう言われておしまいです。

でもそのストレス度合いが、おでこにニキビができたぐらいの痛みの人と、ぎっくり腰で寝返りも打てないほどの痛みの人と(大袈裟かw)個人差があり共感してもらえないことがあります。

でも自分にとってはイヤなことなので、正面突破しようとするよりも避けて通った方がラクなんでしょうね・・・

辛かった過去との向き合い方

私は、会社に入ってから辛い思いをしたことがありました。

私は、部署異動でAさんと一緒に仕事をすることになりました。
いつも忙しそうにしている人でした。
異動直後、Aさんの未処理の仕事や、ミスが複数発覚しました。
私は、新しい業務を覚えることもままならないまま、未処理の手伝いに追われました。
毎日Aさんを見ていたら、だんだん不安になりました。眠れなくなりました。
Aさんに悪気はありません。ただ、改善も期待できません。
きっと個人の特性というものなんだと思います。
上司に相談しましたが、根性論が帰ってきました。
人事に相談しました。聞くだけでした。
私はしばらく距離を置くことにしました。

その後、私の不安が薄れ始めた頃に人事から
『一緒に過去のことを振り返ってみて、Aさんのようなタイプの人とまた一緒になった時にどう対処すればよいか考えましょう』と言われました。
私は、『一緒に過去のことを振り返って』と言われたとき、とても苦しくなりました。

誰かに話を聞いてもらうだけでもラクになるよ。

というアドバイスをくれる人がいますが、私は、

思い出すだけでも辛いのに、辛かった体験を2度するようなことをしなきゃいけないの?

言葉に出すのはみんな辛くないの?

それを我慢して話せばラクになるの?本当?

ふつうは違うのかな?私はズレてるのかな?

そんな思いをしたことがあります。

私は、その答えをこの本で見つけました。

「周りの信頼できる大人に助けを求めて!」というのはカンタンです。いや、それは正しいし出来たらそれが一番なんだけど、信頼している分だけ、助けてくれなかったときの心のダメージが大きすぎるとも思う。

(略)

もうすでに自尊心をかなり傷つけられちゃってる場合は、性犯罪の被害者がそれを告発するぐらい難しいんじゃないかな。

だって告発するということは「いじめられました」とかいう軽い言葉じゃなくて、自分が具体的に何をされたのかを他人に説明しないと伝わらない。そんなもん、二重につらいがな。興味本位で聞くだけ聞いて結局何もしてくれない、ということが数人続いたら、それでも助けを求め続けろとは、私は言えない。心を閉ざすしかないと思う。

『年収90万円で東京ハッピーライフ』より引用

私は、この話にすごく救われた気がしました。

私は心を閉ざしたかったのに、無理やりこじ開けられるような気持ちになっていました。

ちなみに、筆者は過去にいじめられた経験があり、現在いじめられている子へ向けて、””話のわかる大人が現れるまでは、できる範囲で逃げ続けましょう。中学なら3年で終わるから。””と言っています。

けど、中学生にとっての3年はとても長いですよね。

私は、「仕事、3か月ぐらい休んだら?」と言われた時でさえ、

とんでもない!と思いました。

でも、実際に逃げて距離を置いてよかったと思います。

またAさんのタイプに出会ったら?

そんな時はまた私は逃げるかな。対処法を考えようなんて、対処できなかった人に言われることじゃない。

でも自分と同じ考えをする人が、すぐ近くで見つからなくても、間違いなく存在しているってわかっただけでもだいぶ心が救われた気がしました。

登下校のマフラー禁止の話から

筆者の中学では登下校中のマフラー着用が禁止されていたそうですが、先生の目に入らないところでマフラーをしていました。

そこに、「みんな我慢してるのにサイテー」と言い出す人。

これって学校に限らず大人になってからも遭遇しますよね。

マスク警察とか、サービス残業とか。

みんながサービス残業してるから、帰れない、帰ったら帰ったで言われる。

会社の飲み会を断ったら、付き合いが悪いといわれる。(自由参加じゃないの・・?)

ほんとうに同調圧力が苦しいです。

筆者はその点、周りの目に流されず自分の軸が1本通っているように感じました。

価値観は違えど、何かしら芯が通った人って憧れます、ほんと。

そして、本の後半ではロンドンで暮らしたときの話がありました。

「それで食っていけんのか」とか「目標を持て」とかいう人、全然いなかった。だってそんなこと他人の勝手じゃん、という共通認識があるから。

個人主義というと聞こえがいいけど、要するにみんな、他人の未来のことまで関心がないんですよね。は~ラク。

『年収90万円で東京ハッピーライフ』より引用

日本で暮らしていると、学校に入った時から協力・調和を教え込まれて、マフラーを禁止されてw、みんなも我慢してるんだから我慢しなさいが当たり前になっています。

自分が損してるんだから、他人に得させたくないみたいな考えがどこかにあって、他人に必要以上に干渉してくる人。

そうじゃない国があるなら、そっちに行った方が楽なんじゃないか。

別に移民するとか大袈裟なことではなくても、やっぱり早くサラリーマン生活を脱出したい。

そんなことを思った1冊でした。

ではまた

タイトルとURLをコピーしました